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事業引き継ぎ支援センター

 経済産業省は2月10日、「産業活力の再生及び産業活動の革新に関する特別措置法の一部を改正する法律案」の国会への提出を決めました。

 これまで、事業承継において大きなハードルとなっていたのは、「引き継ぎたくても後継者がいない」という点でした。今回の法案では、47都道府県に設置されている再生支援協議会が置かれている支援機関の業務に、事業引継ぎ支援業務を行う「事業引継ぎ支援センター(仮称)」を設置して、事業引継ぎ希望企業間の仲介及び事業引継ぎ契約の成立に向けた支援を行うこととなっています。

 また、同センターに、事業引継ぎの専門家(経験のある税理士、銀行OB等)を配置し、事業引継ぎ希望企業間の仲介及び事業引継ぎ契約の成立に向けた支援を行うことも予定されています。

また、事業引継ぎに係る金融支援等の措置として
①信用保険法の特例(普通保険・無担保保険の別枠化等)
②投資育成株式会社法の特例(対象者の拡大)
③小規模企業設備導入資金助成法の特例(貸付割合の上限引上げ)
④許認可の承継円滑化(事業引継ぎの際の許認可承継の手続きを簡素化)
 などを追加することによって、より機動的な事業承継を目指しています。

 この法案では民間金融機関、特に地銀、信金、保証協会と、税理士、会計士、弁護士、コンサルタントとが共同して事業承継をバックアップする体制が期待されているようです。
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タイガーマスク

 昨年末から全国で「タイガーマスク」や「伊達直人」の名前で児童施設などの子どもたちにランドセルなどのプレゼントが届けられている社会的現象が話題になりました。

 贈り主の多くが、漫画やアニメで知られるヒーローを名乗っていますが、多くの人が日ごろからそういう思いを抱いているということの表れだと思います。

 また、今回の現象に限らず、スポーツ選手が積極的に恵まれない子供たちを支援していると言ったこともよく話題になります。私の周りでも、毎年施設に車椅子を寄付している方とか、収入の何%と決めてお金を寄付されている方がいらっしゃって驚きます。そういうことをお聞きすると日本人にも寄付による社会貢献が定着しつつあるのを実感します。

 伊達直人さんは税金のことなど気にされていないでしょうが、児童養護施設への寄付は、領収証などがあれば税金の計算上控除の対象となります。

 今回の現象が、善意の寄付を促進するきっかけとなるために、国ももっと寄付金についての税制をアピールすればよいのにと思います。

消費税増税の影響

 年金など社会保障制度と消費税増税を含む税制の一体改革について、政府は具体案と新たに必要になる財源の規模を4月に公表することとしました。内閣改造によって与謝野馨経済財政相を担当閣僚に据え、消費税の見直しもいよいよ待ったなしの段階に来たようです。

 しかし、消費税の増税が実現した場合に最も大きな打撃を受けるのは、医療、福祉、介護の業界です。
医療機関の収益源である診療報酬、介護サービスの収益源である介護報酬は、現在いずれも消費税の課税対象から外されています。
 つまり、消費税の税率が上がっても、それを売上の金額に上乗せすることができない仕組みになっています。

 一方、薬品やその他の経費にかかっている消費税は、他の業種と同様すべて負担しています。
そこで消費税率が上がった場合、増税分はまるまるコスト高となってこれらの事業者を直撃することとなります。

 もちろん、何らかの特例や優遇措置が講じられることが想定されますが、すべては国のさじ加減次第にゆだねられているということも事実なのです。

国民総背番号制

 23年度税制改正大綱には、「社会保障・税に関わる番号制度」として、いわゆる国民総背番号制の導入に言及しています。

 大綱では、この制度は主に社会保障の給付のためとしていますが、税制大綱の中に織り込まれていることに違和感を覚えるのは私だけではないと思います。

 この制度のメリット・デメリットは古くから議論されていますが、国にとってはもはや議論の段階を過ぎて導入せざるを得ないところまで来ているということでしょう。

 公務員の削減が叫ばれている中、税務署が限られた人員で徴税システムの効率を上げるためには、国民一人一人の情報をデータベース化することがもっとも効果的です。

インフラ整備の一環として、電子申告についても税務署をあげて普及率アップに取り組んでいます。もちろん年金などの給付においては、データを一元管理することによって今まで問題視されていた間違いなどは少なくなり、効率的かつ正確な手続きが可能となることも事実でしょうが、私たちの収入や財産が丸裸にされる時代はもうそこまで来ているようです。

謹賀新年

 あけましておめでとうございます。新しい年を迎え、気持ちも新たにと行きたいところですが、個人の事業主さんにとっては確定申告という面倒な行事が待ち構えています。

 最近はインターネットを使って電申告をする人も増えているようですが、普及率は3割程度とのことで、まだまだ書類での申告書を提出されている方のほうが多数派です。

 電子申告をすることのメリットは、国税庁のHPで宣伝していますが、その中で「医療費控除の計算基礎となる領収書等の提出省略」というのがあります。

 もともと、領収書を提出しても、これを全部電卓で集計して申告数値と突合しているかというとおそらく全部はしていないと思いますが、これは税務行政の効率化のために、申告の正確性あるいは真実性には、ある程度目をつぶるということでしょう。当然これを悪用しようと考える人も増えるでしょうし、高齢化社会の深刻化に伴う国民の医療費負担も増加するでしょうから、課税の公平という大義名分からすると医療費控除は廃止される可能性もあると思われます。そうなると、国民特に高齢者にとっては実質的な増税となっていくのです。

 これからの世界は、インターネットの普及など便利さがどんどん加速する一方、その代償として何かを犠牲にしなければならないことも増えるような気がします。